モノづくりエンジニアの転職に必要な資格はこれだ!

「モノづくりエンジニアの転職にどんな資格が有利ですか?」

こんな質問がネット上の相談サイトでよく見られます。これから転職を考えている人にとって、求人企業がどんな資格を求めているのか気になるところです。

そこで、機械設計生産技術設備保全の求人、合計38,924件から、どんな専門資格を応募条件に指定しているか調べました。

この調査結果を見ればモノづくりエンジニアの転職市場において、どんな資格の需要が多いか分かります。

 

また、資格の分類について、必置資格業務独占資格名称独占資格の説明をしています。

それぞれの資格の位置づけによって、転職市場でどう資格を活かせばいいのか、その方法も変わってきます。

 

私自身は半導体工場で20年間、モノづくりエンジニアの採用に関わってきました。

採用する側が専門資格をどう評価するのか、私の体験もまじえてお話します。

あなたの資格を転職で活かすにはどうすればいいか、そのヒントにしてください。

 

機械設計・生産技術・設備保全の求人はこんな資格を求めている!

dodaリクルートエージェントの機械設計、生産技術、設備保全の求人合計は38,924件です。(2021年11月時点)

この3職種の範囲で、それぞれの資格名をキーワード検索、または資格検索し、求人数を調べました。

 

機械設計・生産技術・設備保全 38,924件の調査結果(表1)

*資格の種類:
■必置資格 ■業務独占資格
■名称独占資格 ■民間資格
■国家検定(技能検定)
*種類が重複しているものは片方のみ表示

資格名をクリックすると、その資格の詳しい解説記事を読めます。

資格名 求人件数 種類
電気主任技術者 1,742 必置
電気工事士 1,420 業務独占
電気工事施工管理技士 553 名称独占
危険物取扱者 336 必置
エネルギー管理士 329 必置
ボイラー技士 292 業務独占
玉掛作業者 244 業務独占
公害防止管理者 105 必置
機械設計技術者 98 民間
消防設備士 85 必置
高圧ガス保安主任者 71 必置
機械保全技能士 70 国家検定
ガス溶接技能者 39 業務独占
CAD利用技術者 23 民間
自主保全士 21 民間
機械・プラント製図技能士 10 国家検定
半導体製品製造技能士 8 国家検定
電子機器組立て技能士 6 国家検定

*2021年11月調査結果。時期によって件数は変動します。

●求人件数の上位には必置資格業務独占資格が多く出てきます。これらの資格は保有者がいないと業務ができないため、資格そのものに需要があります。

電気工事施工管理技士を業務独占資格と間違う人がいますが、名称独占資格です。別の必置資格である、専任技術者及や主任技術者、監理技術者の要件を満たす資格として受検者が多い。

●資格名で検索すると求人件数が少なくても、実際の需要は多い資格があります。例えば、機械加工技能者、溶接技能者などは「経験者募集」の求人が多く、経験者になるには資格が必須です。

名称独占資格は資格そのものに需要は多くありませんが、「経験者」の応募条件を満たしている裏付けとして活かせます。

国家検定も同様で、機械保全技能士半導体製品製造技能士電子機器組立て技能士などがその例です。

資格をとる

 

国家検定の活かし方については、単に検定に合格しているだけのアピールではなく、実務に活かした経験、実績と共にアピールしてください。

転職エージェントのアドバイザーにサポートしてもらうと、求人別の有効なアピール方法が分かります。

 

各資格の詳細については、表中の資格名をクリックして下さい。

専門資格には国家資格・国家検定・公的資格・民間資格の4種類がある

専門資格については国家資格国家検定公的資格民間資格の4種類に分かれます。

国家資格・国家検定・公的資格・民間資格

【国家資格】

文部科学省のホームページによると、国家資格について以下のように定義されています。

国家資格とは、国の法律に基づいて、各種分野における個人の能力、知識が判定され、特定の職業に従事すると証明される資格。法律によって一定の社会的地位が保証されるので、社会からの信頼性は高い。

国家資格の中でも後ほど説明する設置義務資格業務独占資格は、有資格者がいないと業務が行えません。

そのため求人条件でも非常に需要が高く、転職には有利な資格となっています。

 

【国家検定(技能検定)】

国家検定とは、専門的な仕事をする上で必要な技能の習得レベルを評価する制度です。技能検定とも呼ばれます。

試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。現在130職種の検定があります。

ただ、あくまで技能の習得レベルを特級から3級までの区分で評価する制度であり、この検定に合格しないと仕事ができない訳ではありません。

この意味において国家資格の名称独占資格と同じです。

機械保全技能士半導体製品製造技能士電子機器組立て技能士機械・プラント製図技能士などがあります。

モノづくりエンジニアにとって国家検定(技能検定)は非常になじみのある検定です。

 

【民間資格】

民間資格は民間団体や協会が、それぞれの審査基準を設けて試験や認定を行う資格です。

よく知られている民間資格としては英検やTOEIがあります。

エンジニア系の民間資格では機械設計技術者CAD利用技術者試験自主保全士などがあります。

これらの資格は転職の役に立ちますが、中には認知度が低いもの、社会的評価の低いものも多数あります。

 

【公的資格】

国家資格と民間資格の中間的な資格が公的資格です。国家資格ではないけれど、公的性質を持った資格です。

認定するのは商工会議所公益法人地方自治体などです。また各省庁が後援する資格もあります。

具体例としては、日商簿記検定試験、情報検定(J検)、食品衛生責任者、ケアマネジャーなどがあります。

転職に役立つエンジニア系の公的資格は、CADトレース技能審査(平成29年で廃止)や配電制御システム検査技士など少数であまり見当たりません。

中には民間資格との境があいまいな資格もあります。

 

国家資格には設置義務資格(必置資格)・業務独占資格・名称独占資格の3種類がある

国家資格は次の3種類に分類されます。

【設置義務資格(必置資格)】

特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている資格。

電気主任技術者・エネルギー管理士・危険物取扱者・公害防止管理者・高圧ガス保安主任者・消防設備士などがあります。

 

【業務独占資格】

有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格。

電気工事士・玉掛作業者・ボイラー技士・自動車整備士・建築士・ガス溶接技能者などがあります。

 

【名称独占資格】

有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格。

電気工事施工管理技士、技術士(補)、保育士、栄養士、保健師などがあります。

モノづくりエンジニアに関連した名称独占資格はごく一部です。

転職市場における資格の需要

同じ国家資格でも、必置資格、業務独占資格は転職市場で評価・需要が高い資格です。でも名称独占資格や技能検定はそれほど高い需要がありません。

それは資格の性質上当然と言えます。

 

必置資格や業務独占資格は資格保有者がいないと事業そのものが継続できません。

新しい工場を建設する、製造ラインを増築するなどの場合、電気主任技術者や電気工事士は必須となります。

言い換えると、資格そのものに価値、需要があります。

 

一方、名称独占資格や技能検定の場合は必ずしも資格保有者、検定合格者がいないと業務ができない訳ではありません。

例えば新規設備を設計するのに機械設計技術者やCAD利用技術者がいなくても、それなりの設計能力を持ったエンジニアがいれば困ることはありません。

 

つまり、資格や検定そのものには需要がなく、資格保有者に該当する能力に需要があります。

むろん、資格を保有していること、検定に合格していることが能力の証になる側面はあります。

しかし、能力は経歴や実績で証明することも可能です。

むしろ転職市場においては資格や検定の有無より経歴や実績の方が重要視されます。

 

こうした資格の需要の差を考慮した転職活動が重要になってきます。自分の持っている資格、検定を転職でどう活かすか、その戦略が必要です。

決して名称独占資格や技能検定が転職の役に立たない訳ではありません。活かし方ひとつで十分役に立ちます。

 

エンジニアの転職に役立つ資格・検定一覧

先ほど紹介した専門資格を、今度は職種別に分類してみます。

どの資格が、どの職種の転職に需要が多いか分かります。

*国家検定は「検定」と表記

 

【エンジニアの転職に役立つ資格一覧】

資格名称 区分 設計 生技 保全
機械設計技術者 民間
CAD利用技術者 民間
機械・プラント製図技能士 検定
電気主任技術者 国家
電気工事士 国家
電気工事施工管理技士 国家
エネルギー管理士 国家
公害防止管理者 国家
機械保全技能士 検定
自主保全士 民間
電子機器組立て技能士 検定
半導体製品製造技能士 検定
危険物取扱者 国家
ボイラー技士 国家
玉掛け作業者 国家

 

この他、品質管理・品質保証については「QC検定」という民間資格が需要の高い資格です。

こちらの記事を参照してください。

QC検定(品質管理検定)が転職に有利な資格ってホント?

 

英会話のスキルが指定されることもあり

専門資格ではありませんが、英会話の能力も転職においては資格同様、かなり重要です。

自動車や半導体業界はむろん、家電、機械、化学などの分野にも英語力を必要とする保全求人が多数出ています。海外で大型プラントの建設などを請け負う企業からも多いです。

海外勤務が前提の求人では英語能力は必須条件として指定されています。

 

また、海外から日本に進出している外資系企業の求人や、逆に日本から海外へ進出している企業のエンジニア求人にも英会話が必須条件になっているケースが多く見られます。

 

英会話が出来ること

 

ではどの程度のレベルの英会話が必要でしょうか?

私が求人情報を確認した範囲では最も多かったのは「初級レベル」でした。

ただ、この初級レベルが具体的にどの辺りのレベルを指すのが不明です。例えば英検3級とか、TOEIC(トーイック)400点みたいな指標があると分かり易いのですが。

 

中には、

「英会話に抵抗のないレベル」

と言う求人条件もありました。これも何となく分かりにくいですね。

また「中級レベル」とか、「ビジネスレベル」などを要求する企業も見られます。ここも具体的なレベルが不明瞭です。中にはTOEIC600点以上と条件提示された求人もあります。

 

ではあなたがもしも、英語に自信はないけど英会話指定の求人案件に応募したいならどうしますか?

まずは本業の技術職の技能をアピールし、入社後に英会話能力向上の意思があることを伝えればいいと思います。

 

英会話の能力は、それこそ初級レベルなら3ヶ月から6ヶ月ほど真剣に取り組めば身に着きます。あなたのヤル気次第で乗り越えられるハードルだと思います。

もっとも、ビジネスクラスの英会話を要求されると、これはそう簡単にはいかないかも知れません。相手企業とのご相談ですね。

 

まとめ

特に求人に多く指定される専門資格について、別に記事を用意してあります。

そちらで資格の取得難易度や受検方法、更には転職活動に活かす方法などを詳しく解説してあります。ぜひ関心のある資格をご覧下さい。

表1の資格名をクリックすると、詳しい解説ページにリンクしています。

 

エンジニア職の転職に資格は重要ですが、いかなる資格も保有しているだけでは役に立ちません。

実際にその資格を活かした実務経験が豊富であってこそ、強力なアピール材料となります。

従って転職活動における資格の活かし方は実務経験とセットでアピールすることが重要となります。

また、どの企業がどんな資格者を必要としているのか、その情報も重要です。繰り返しになりますが、そのために転職エージェントの利用が効果的です。

 

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